【再掲】 「ひらけ!ここたま」が始まるまでに思っていた事とか。

※2018年9月にYahooブログで書いたものの再掲です。
 
9月初めに放送が開始された「キラキラハッピー★ ひらけ!ここたま」も既に3話までが放送され、基本となる3人のここたまが出揃いました。これからは月に1人程度、キャラクターを増やしつつストーリーが展開していくのでしょう。前作「ヒミツのここたま」に引き続き、毎月第3土曜日には「ここたまの日」として新しいキャラクターのドールが発売されます。
 
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(新シリーズのメインここたま3人。左から順にピロー、リボン、ちゃこ。手前にあるのが"フシギなカギ"。ドールのサイズが少し大きくなり、素材もPVCからABSに変更された。)
 

 「ひらけここたま」が発表されたのは2018年6月7日、東京おもちゃショーのステージでした。Skypeでフォロワーの方と通話しながら、ネット中継を見ていました。放送を見ながら、新タイトル、新キャラクター、玩具にキャンペーンなどなど、一気に発表された情報に戸惑いつつも色々と舞い上がっていたように記憶しています。もっとも今年の春以降、イベントやオフィシャルショップなど公式からの供給が全く無く、ファンとして飢えていたところにこの情報量でしたから、舞い上がってしまうのも無理はなかったでしょう。その翌々日からの東京おもちゃショーの一般公開日ではバンダイブース内で大々的に展示され、自分もフォロワーの方々と一緒に東京ビッグサイトを訪れました。
 

 
 ところで、新しいシリーズが始まるというのは即ち現行のシリーズが終わるという事を意味します。あるフォロワーの方の言葉を借りるのであれば"世代交代"になります。自分もツイッターで時々"一世代・二世代"という表現を使うことがあります。
 先ほど"新世代の発表で舞い上がった"と書きましたが、ある意味、自分にとって最も辛かったのはそこからでした。プリキュアやライダーは1年ごとに新作への切り替えが行われますが、「ヒミツのここたま」は3年間各種メディアで展開したうえでの切り替え、世代交代でした。偶然の出会いとはいえ2015年秋、第3話あたりから見始め、ハマり、そして特にこの1年半ほどの間、自分に様々なものをもたらしてくれた「ヒミツのここたま」が終わってしまう。キャラクターは一新され、物語の舞台も変わる。3年分の愛着がある物が消えてしまう。消えてしまうという言い方は乱暴かもしれませんね。
 「ひらけ」発表後しばらく、数は少ないですが"新シリーズ反対"と言っている人を見かけました。どのコンテンツにもそういう人はいるわけで、また個人の感想としてそう思うことについて否定はしません。自分は"重力に魂を引かれた人々のことは知らない。これまでの事も大切にして、新しいことを楽しみに、自分はここに在り続けるだけ"などと呟いて強がってみたりもしましたが、内心では大きな葛藤がありました。9月までは見られると思っていた、慣れ親しんだ「ヒミツのここたま」が6月いっぱいで完結してしまい、その後は2ヶ月の傑作選(再放送)+αを挟んで新シリーズが始まるという世代交代に向けての大きな動きについていくことは、自分にとって大きな負荷でした。
 好きなキャラクターも、集めてきたグッズたちも、自分が作ったドールたちも、積み重ねてきた思い出も、全部過去の物になってしまう。ドールを含めハウスの規格も全て変わってしまう。これは、自分がそういう"世代交代"というものを経験してこなかったが故の苦しさだったのかもしれません。新シリーズへの期待と不安、現行シリーズが終わってしまう事の寂しさと悲しさがグルグルと渦を巻いて、自分の中で積み重なっていきました。6月末からはドール未発売に終わってしまった一人前ここたま、チャーリーのドールを作ることに没頭し、指先の感覚に意識を向け続ける事で苦しさを忘れようとしました。
 
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ヒミツのここたま」132話から登場した一人前ここたま、チャーリー。劇中で活躍したにも関わらず、終盤に登場したためか公式からのドール化は無く、やむを得ず自作。基本はエポパテブロックからの削り出し。
 

 ここで自分を大きく助けてくれたのは先日のブログにも書いたコミュニケーションの力でした。フォロワーの方々とTLでお互いにリプライをするのは勿論のこと、時々Skypeで通話をすることもありますし、ここたまショーが行われるとあれば一緒に住宅展示場などに行くこともありました。新シリーズのどんなに些細な事でも、例えば"この子好きなんだけど"とか"おもちゃ早く触りたいんだけど"とか、その程度のことでもフォロワーの方々とやり取りをしているうちに苦しさは少しずつ消えていきました。もしもこれが無かったら、自分はどうなっていたでしょうか。折角の新世代である「ひらけここたま」のスタートを、少し離れた場所から、無駄な冷静さを持って眺めていただけだったでしょう。コミュニケーションがあったからこそ、フォロワーの方々がいたからこそ、自分の中で"「ひらけここたま」が楽しみ!"という気持ちが最大限に盛り上がった状態で放送を待つことができましたし、8月26日に行われたアニメ放送スタート記念イベントにも行くことができました。
 また公式は「みならいここたま道」というショートアニメで新シリーズへの慣らしを行っており、そちらも「ひらけ」移行の助けになったことは言うまでもありません。
 

 
 今は「ひらけここたま」のスタートダッシュ期間ということで、公式の動きも活発ですし、自分も少し無茶をするくらいの勢いで色々と動いています。各種グッズの購入、情報の収集はもちろんのこと、9月16日のテレビ大阪YATAIフェスで上演された今世代初のキャラクターショーに行き、続けて9月22日に東京ドームシティで行われたOP・EDテーマ発売記念イベント「キラキラハッピー★ うたおう!ここたま」に行きました。これは昨年4月末以来2度目の京都-東京エクストリーム遠征です。自分をここまで行動させるここたまというコンテンツ、本当に恐ろしいですね。もっとも、これは今までにないスタイルのイベントと予想され、またEDテーマを歌っている正木 郁さんが登壇して生歌を披露するということで、ここたまファンとしてどうしても見ておきたかったという事情もあります。ついでに言ってしまうと、本人が登壇するということで撮影に対して制限が課せられ、あとからフォロワーの方々に動画や写真を見せていただくという事も期待できませんでしたし。
 

 
 さて、前作とは大きく雰囲気を変えた「ひらけここたま」ですが、自分は引き続き楽しんでいます。前作から見ているので色々比較しながら楽しむということができますし、玩具の規格が変わったとはいえ使い方によっては一緒に遊べます。またどういうわけか、先日発売された食玩には「ひらけ」世代の規格で「ヒミツ」世代の主人公格であるラキたまとメロリーのドールがラインナップされました。ここたまキャッスル(前世代のハウスにあたる大型玩具)にセットして声を聞くこともできます。これは前世代の主人公格であったという点に加え、「みならいここたま道」で「ひらけ」世代の主人公格と共演していたという理由もあるでしょうし、将来的に世代を跨いだ共演、例えば"ここたまオールスターズ!"のような企画を持ち上げるための布石にもなるでしょう。オールスターズは自分が勝手に期待しているだけですが。
 

 
"カギをてにしたら さしこみまわしてみて
こわがらなくてだいじょうぶ
はるかなそらのように ひろいせかいがね
きみのこと まだかなと まってるから"
 
 これは「ひらけここたま」のオープニングテーマ「ヒミツのかぎ、ここたま!(作詞:真崎エリカ,作曲・編曲:Dr.Lilcom)」の一節です(CDの歌詞カードより引用)。新しい「ひらけここたま」の世界が待っている、広がっていくその世界に怖がらず踏み出していこう……2番の、普段テレビで流れることがないこの一節には、そんなメッセージが込められているように思えます。考えすぎでしょうか。
 この曲には前作「ヒミツのここたま」を想起させるワードが散りばめられています(公式のツイッターもそのことを仄めかしています)。そんな曲だからこそ、前世代も大切にしてくれている「ここたま」というコンテンツだからこそ、そういうメッセージを少しだけ入れてきた、と少なからず葛藤してしまった自分は考えてしまいます。やはり、考えすぎでしょうか。
 
"ここたまここたま やっとあえたよだいすきさ
いろんなねがいかなえてく ヒミツのカギ、それはここたまだよ!"
 
 これもオープニングテーマの歌詞からの引用です。自分は3年程前、偶然ここたまと出会いました。ここたまというコンテンツは、自分にとって新しい世界を開いてくれた、まさしく"ヒミツのカギ"でした。
 新世代が始まっても前世代が持つ魅力が失われたわけではありません。「ここたま」シリーズの始まりとして「ヒミツのここたま」が果たした役割は大きいでしょうし、またそれをリアルタイムで見ることができたという自分の体験が消えてしまうことはありません。色々と葛藤はありましたが、イベントやキャンペーンのために走り回り、実際に「ひらけここたま」のアニメを見て、グッズを買い、「ヒミツのここたま」のグッズと並べて遊んでみることで、やっと自分の中で世代交代ができたのかな、という気持ちです。
 今年の4月にやっと"けいやくしょ"に書いた"ねがいごと"、これからも一緒に叶え続けていきたいと思います。
 
 

では、また。